剛力さんが叩かれるのをみるのがつらいを読んで

剛力さんが叩かれるのをみるのがつらい
 僕は剛力さんの活動をインターネットからの情報でしか知らないので、2ちゃんまとめサイト等でよく見る剛力さん叩きについては正直なところよくわからないで読んでいる。僕はルチャ・リブレが大好きで毎週末になるとテレビにかじりついて番組をもれなくチェックしているのだが、この剛力さんに少し似た状況にいるルチャドールがいるので、日本の皆さんに少し紹介したいと思う。
 彼のはミスティコ。プロレス大ファンの方ならご存知化もしれないが、現在、メキシコのプロレス団体CMLLで活躍しているミスティコはオリジナルではない。オリジナルは既にアメリカのプロレス団体WWEに所属を移していて、リングネームもシン・カラに変えている。メキシコのルチャドールがWWEで活躍すること自体はそれほど珍しくはないがそう簡単なことでもない。このオリジナルのミスティコは神の子と呼ばれ、メキシコにおけるルチャ・リブレブームの再燃に一躍かっただけではなく、商業分野にまでその活動は進出するほどだった。
 オリジナルミスティコがメキシコを去ってからCMLLでは次世代のスーパースターの排出がなかなかうまくいかず、とにかく焦っている。今、リング上で人気のスーパースターは20代後半が多く、WWEに比べればまだマシな状況に思えるがもたもたしていると現在のWWEのように往年の名レスラーたちが体に鞭を打っていつまでもリングに上り続けなくてはならなくなってしまう。そういった状況をCMLLは避けたいのだろう。
 そこで登場したのが2代目のミスティコである。彼は以前はドラゴン・リーという名前で2011年にデビューしたばかりの若干21歳のルチャドールだ。それから彼は怒涛の勢いでスーパースターへの道を駆け上がることになるのだが、2012年の6月に2代目ミスティコとしてデビューを飾ってからの彼の試合は、全てが順風満帆というわけではなかった。CMLLの彼をスーパースターにさせようというギミックが、ドラゴン・リーに重圧としてのしかかったのであろう。試合中にミスを繰り返すようになり、2013年の1月には新日本プロレスのイベントを左肩の脱臼を理由に欠場した。復帰後もボラドール・ジュニアとの試合では不甲斐ない場面を連発してしまい、会場からもブーイングが湧きあがったほどである。2代目ミスティコは試合後のパフォーマンスでマスクを賭けた試合を要求したがボラドール・ジュニアの返事は「お前は俺にとって取るに足らない存在でしかない」と一蹴されてしまった。
 ここまでが全てCMLLの脚本だとしたらすごいことだが、それから2代目ミスティコは地道にトリオマッチなどでスーパースター達と共に肩を並べて試合を行うようになり、少しずつではあるが確実に彼はスーパースターへの道を歩み始めている。恐らく、初代ミスティコのようなカリスマ的な人気を得るにはまだまだ時間が必要だろうが、ルチャ・リブレファンを魅了するようなスターにはもうすぐなれるはずだ。断っておくが、ドラゴン・リー自体は非常に素晴らしいルチャドールである。
 このドラゴン・リーの境遇には少なからず剛力さんの境遇と共通する部分がある。ビジネスの問題でスーパースターを要求するテレビ局からの要求で、タレント事務所とテレビ局が強引に一人の女優をスーパースターにさせようとする様は、CMLLがドラゴン・リーをデビューからわずか1年で2代目ミスティコにさせた部分と非常に似ている。剛力さんにはそういう素質・才能があるのかもしれないが、過度の重圧はそういった可能性を摘んでしまう恐れがある。CMLLはドラゴン・リーが2代目ミスティコとしてスーパースターになるためには観客のレスポンスが必要であると気づいたのはごく最近のことのように思われる。剛力さんのせっかくの才能を摘んでしまわないためにも、事務所は彼女を国民的女優にするためには視聴者のレスポンスが必要なのであるということにいち早く気付くべきだ。