もしかすると以前にもこの話はしたことがあるかもしれないが、もう一度だけ「海外生活に適していない人の特徴」を話したい。
僕は今から3年ほど前に、個人的な理由で渡墨した。当時、頼れる存在だったのは僕の元彼女だけだったので、渡墨して数ヶ月は彼女とその家族と住んでいたのだが、居心地が悪くなったので、別の場所で一人暮らしを始めた。
もちろん、無職で日本人がメキシコに長期滞在できるわけはないので、現地で仕事を探して自動車部品の輸入と販売を行う企業に就職。そして現在に至るというわけだ。
さて、同じ会社に3年間いると、その間にいろいろな日本人がやって来て去っていくのである。そういった人たちを観察してみると「海外生活に適していない人」がどんな人なのかが見えてくるのだ。
現地語を覚えない人
当然ながら現地の言葉が話せないようでは生活が不便でしょうがないし、他人とのコミュニケーションだって上手くとれない。それを認めたうえで勉強すればいいのだが、生活の不便さとコミュニケーションが上手く取れないことを「お国柄」のせいにしているような人は、残念ながら海外生活に適しないといえる。
外国語を覚える上で大切なのは、実際に使ってみるということ。教科書での勉強はもちろん大切で、それがベースになる。しかし、日本語がいろいろ変化してきているように、外国語だって毎日変化していくのだ。生の外国語はどうすれば身につくのか?それはやはり現地の人とコミュニケーションをとることだと思う。
現地料理が苦手な人
食事は生きる上で大切なものであって、海外生活をするということはそこに長期滞在するということだから、現地料理が苦手だったらその土地に住むには向いていない。今は海外にも日本食がどんどん進出しているので、日本人向け食料販売店で食材を調達して自炊したり、日本食レストランに赴けば、レベルの高い日本食を口にすることはできる。しかし、現地料理に比べるといかんせん値段が高いので、よほど高給な仕事を持っていない限り毎日口にするのは難しいと思う。
日本と比べる人
「日本の地下鉄はもっと本数が多い」「日本の食事はもっと美味しい」「日本では考えられない」等、思うことはあってもそれを口にしてしまうような人は海外生活に向いていない。単刀直入に言うと「だったらなんで来たの?」ということだ。
同じ職場の日本人を見ていると、大きく3つのタイプの人がいて、1つ目はメキシコの文化に順応できる人、2つ目は順応できない人、そして3つ目はどちらの文化にも順応できない人だ。
海外生活に向いていないのは2の人だ。「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、僕たち日本人は「よそ者」なのだから、そのよそ者が別の文化を持つ集団に属するとしたら、別の文化を受け入れるのが、楽に生きていくためだと思う。もし、受け入れられないとしたら、国を変えるか日本へ帰ったほうが、限られた人生の時間を無駄にしなくてすむと思う。
ちなみに3つ目の人はいわゆる「浮いた感じ」の人なので、どこの国に言っても同じような生き方しかできない。良く言えば放浪者タイプか。
番外編:根暗はメキシコに住むには向いていない
国連が発表した2013年の世界幸福度ランキングによると、メキシコは経済大国アメリカを抜いて16位。日本ははるか下の43位だ。週末は家族や友人、恋人たちとパーティーを開いて朝まで踊り明かすようなメキシコ人なので、根暗な人は基本的にメキシコに住むには向いていないと思う。
根暗ではなくてインドア派の人は特に問題ない。僕も基本的にインドア派で、女の子とデートするときや、ルチャ・リブレを観に行くとき、どうしても買い物に行かなければならない用事があるときなど以外は、週末は家で筋トレしたりゲームしたり、のんびりして過ごすのが常だ。おかげで今までに一度も犯罪に巻き込まれたことがない。皆さんも既に知っていると思うが、メキシコは白昼堂々、拳銃を使った強盗や窃盗が発生するようなところなので、外出するときは十分に注意が必要だ。大使館の情報によれば邦人の被害者もかなり多いとのこと。僕のケースはそんな中では奇跡といっても過言ではない。