(写真・記事元:THE GLADIATORES)
4か月前から始まったトラウマⅠとカニス・ルプスの激しい抗争は、マスカラが破られるのは勿論、5万ペソを賭けたラダーマッチでの激闘にまで至った。そして、9月4日日曜日、両者はついにルチャリブレ究極の決闘であるマスカラ戦に臨むことになった。アレナ・ナウカルパンは二人の決着を見るべく、ルチャリブレファンが集結し、会場は3階席まで満員となった。
先制攻撃をしかけたのはカニス・ルプス。強烈なトぺでトラウマⅠを驚かせると、逆四の字固めでトラウマからギブアップを奪い、一本目はカニス・ルプスに軍配。
二本目に入ると、両者のコンディションは最高潮に達していた。両者のマスカラは既に敗れ、椅子による凶器攻撃で流血。しかし、トラウマⅠは冷静さを失わずに、カンパナインベルティダで試合を引き分けに戻した。
三本目では両者はそれぞれが持っているもの全てを引き出しての激しい試合となった。カニス・ルプスはカベルナリア、クリスト、リバース・ゴリー・スペシャル、脇固めでギブアップを狙い、トラウマⅠのセコンドのネグロ・ナバロもトラウマⅠのギブアップを認めるような素振りを見せたが、トラウマⅠは関節技から逃げ、ピンフォールを奪いに着実にカニスを追い詰めていった。
カニスが誤ってトラウマⅠをレフェリーに向かって突き飛ばしてしまい、一時的にレフェリーがリングから消えると、カニスは本来は禁じ手のパイルドライバーをトラウマに食らわせ、勝負は決まったかに見えた。ところが、レフェリーがリングに戻り3カウントを始めるとトラウマⅠは2カウントで返すことに成功。
会場のドクターがトラウマⅠの首にダメージがあるとして、サポーターを取り付けようとしたが、時間の無駄だと、カニスが足への関節技を仕掛けようとした。ところが、カニスの関節技が決まる寸前に、トラウマが得意技の逆四の字固めで返すと、カニスは堪らずにギブアップ。試合はトラウマⅠの勝利に終わった。
試合後、カニスは恋人に手伝ってもらいながらマスクを脱ぐと、ルチャドールとしての経歴は10年、ナウカルパン出身のエクトール・ロペスと正体を明かした。試合は苦い結果に終わってしまったが、カニスは恋人にリング上でプロポーズ、彼女は承諾した。
この試合、セコンドとして、マスカラ・アニョ・2000・ジュニア、ミステル・エレクトロが控えていたが、トラウマⅠとカニス・ルプスのマスカラ戦には一切介入せず、真の紳士たる態度を貫いたことを併記しておこう。