(写真:wikipedia 記事元:Superluchas)
かつての社員に訴えられるということは、WWEにとっては珍しいことではないが、11月12日、社内で性的暴行事件が起こったことが隠蔽されていたと告発された。これはWWEのイメージ戦略に大きな影響を与えかねない事案である。
告発したのは、2005年から2008年にかけて活躍した、元ディーバのアシュリー・マッサーロ。彼女による告訴は、複数の選手による集団訴訟の中の一つで、リング内外で受けた暴行による、神経系への長期に渡るダメージは隠蔽されたという。
陳述書によると、アシュリー・マッサーロは2006年、在クウェート駐留米軍のキャンプに、WWEの公式慰安訪問として、マリア・ケネリス、ジミー・ハート、ロン・シモンズと共に訪れた時に、性的暴行を受けたという。
彼女が性的暴行を受けたという事実は、帰国後、WWEの医師によっても認められ、WWEからも、その不注意によって起こったことに対して謝罪があったが、関連機関には報告しないように説得されたという。
彼女の告発は彼女を暴行した人物を明らかにはしていないが、駐留米軍部隊の隊員の一人であることは間違いない。
担当弁護士によれば、WWEは事件発生当時、アシュリー・マッサーロのイメージを守るため、そして、軍との関係を守るために、彼女を説得したという。
ところが、アシュリーが集団訴訟に加わることを決めたのは、彼女がWWEを退団した後で、うつ状態、焦燥感、記憶喪失、偏頭痛等の慢性外傷性脳症に悩まされているからだ。
弁護士コンスタンティン・キロス氏によりまとめられた集団訴訟は、ほとんどが根拠のないものばかりではあるが、WWEのイメージ戦略に大きな打撃となるのは間違いない。
ところが、この集団訴訟は順調に進んでおらず、今週、コネチカット州の裁判所において、ビッグ・ダディ・Ⅴこと、ネルソン・フライザー・ジュニアと、ドインク・ザ・クラウンこと、マシュー・オズボーンの死亡は、WWEで活動中のケガによる、慢性外傷性脳症と関連付けることはできないとして、訴訟を却下された。
審問中、裁判長はキロス氏が、専門家ではないことと、その訴えが裁判所の専門基準に適合しないことが訴訟を却下した理由のようだ。